近年における急速な生活様式、自然環境、社会環境等の変化は我々の健康面に様々な影響を及ぼしてきました。その要因を整理して考えておくことは、健康づくり運動を考える上で最も大切であるといっても過言ではありません。
ここでは健康阻害要因と運動のかかわりについて整理して考えてみましょう。
現在の我々の健康を脅かす最大の原因は、メタボリック(内臓脂肪)症候群に代表される生活習慣病と呼ばれる非感染性の疾患です。生活習慣病とは病因論的に特定の疾患を示すものではなく、主として後天的に生活習慣に依存して発症する主要な疾病を総称したものです。わが国の三大死亡原因である悪性新生物、心疾患、脳血管疾患はその代表的なものです。その他に、高血圧症、胃・十二指腸潰瘍、肝臓病及び糖尿病などが含まれます。生活習慣病に対する治療法については、勢力的な努力がなされています。
上表をご覧ください。表は池上が現代における健康阻害要因とその背景を表わしたものです。現代の環境は複雑であり、各々の疾患に対する発生要因も複雑多岐に渡っています。しかし、結局現代社会における健康阻害要因としては
・ 運動不足
・ ストレス
・ 栄養の偏り
・ 体内汚染
の四つに要約することができます。
そして、健康への影響を合わせ考えてみても、*印が示すとおり運動はそのほとんどに対して有効です。
さらに、今後、社会・環境的要因として、日常生活において省力化がなされていくことが予想される以上、予防的アプローチとしての運動の果たす役割はますます重要になってきます。
健康づくり運動は、運動が有効となる内容に対する効果を考えて実践することが大切です。しかし、直接影響を及ぼすことのできない体内汚染、すなわち人工的な化学薬品や金属類あるいは放射能などの環境問題にも目を向けた上で展開していかなければなりません。
環境問題を無視して、健康づくり運動を展開することはできません。
「少しだけ自分にきびしく、人と環境にやさしく」が健康づくり運動の第一歩です。