事故防止対策
人の面、システムの面、施設・設備面での予防が考えられます。さらに、万一事故が発生した場合、その原因を究明し、適切な対策を講じることです。
事故を大きく分類すると次のようになります。
・ 不可抗力、不可避的事故
・ 自己の過失による事故
・ 指導者の指導上の過失による事故
・ 自己の過失と指導者の指導上の過失による事故
・ 施設の設置、管理の瑕疵(かし)による事故
指導者の指導上の過失による事故の場合は、指導者は刑事責任(業務上過失致死罪)を問われます。さらに公務員の場合は行政処分、民間の場合は雇用上の処分へと発展していきます。また、施設の設置者には、損害の賠償責任が生じます。
施設の設置上の瑕疵事故とは、施設の設計や構造に問題があって生じた事故のことです。また、管理上の瑕疵事故は、管理方法や運営に問題があって生じた事故のことをいいます。瑕疵事故が起きた場合は、公立施設の場合は国家賠償法が、民間施設の場合は民法が適用され、損害の賠償責任が生じます。
そして、死亡事故などが起こった場合、重大な過失があれば刑法上の責任を問われる刑事事件となります。また、被害者の訴えにより、賠償責任などをめぐって民事裁判となります。
指導者としては、指導者の指導上の過失と施設の設置、管理の瑕疵は避けなければなりません。日ごろからの適切なプログラムの提供に対する研修と修養と指導環境整備が大切です。
救急処置対策
事故発生時の対応5大原則
1 状況の把握
事故の状況を正しく把握することができなければ、以後の適切な処置はありえません。しかし、時間をかけることはできません。実際の事故に際してはほとんど瞬時に把握しなければなりません。
(1) 生死にかかわる重大事故かどうかの判断は、ほとんど事故と同時もしくは発見と同時にしなければなりません。
(2) 緊急性の高い事故であればあるほど、全体像の把握がおろそかになります。動揺することなく、特に次のことについて正確に判断しなければなりません。
ア 事故現場の状況
イ 事故者の状態
・ 損傷の程度の判断
・ 事故や損傷の原因の把握
・ 問診・視察による調査
2 安全の確保
動かしてはいけない、動かした方が安全、動かさないと安全が確保できないの判断をしなければなりません。動かさないといけないと判断したら、どうやって動かすのか、その方法を決定します。この判断と方法は非常に重要です。判断できても方法を誤れば死亡事故につながったり、重大な後遺障害を残すことになります。
3 事故の二次発生防止
場所的に安全が確保されても、事故者や周りの人に動揺を与えると思わぬ事態に陥ることがあります。
(1) 事故者がショック状態に陥らないように配慮しなければなりません。そのために、必要以上の人を近づけないように配慮したり、たいした怪我ではないと励ましたりしなければなりません。
(2) 事故者以外の人が動揺して事故を起こさないように配慮する必要もあります。
4 救急処置
救急処置の必要な場合は、「AEDを使用した心肺蘇生法」や「外傷処置(ICER)」を行わなければなりません。
5 必要に応じての連絡
必要に応じて家族等への連絡をしなければなりません。事故についてご家族等への未連絡や遅れがトラブルを大きくすることがあります。
万一の事故の際に適切な救急処置を講じなければなりません。そのため日ごろから施設内における体制整備は勿論、指導者個人として特に「AEDを使用した心肺蘇生法」「外傷処置としてのICER」のスキルアップを図らなければなりません。
補償対策
万一の事故に対する補償対策として各種の賠償保険や障害保険等などへの加入しておくことです。事故防止対策、救急処置が万全な体制で行われても賠償責任に問われることがあります。また、自己の過失と指導者の指導上の過失による事故の場合は相殺(過失の割合により被害者にも応分の責任がある)が認められるものの賠償責任は免れません。そこで、どのような保険に加入したらよいかよく検討の上加入しておくことが大切です。