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指導ツール活用のポイント


 平成20年度から始まる特定保健指導が実際にどの程度機能するかは、私自身は、正直なところ未知数で、「蓋を開けて見なければ解らない」という不安を持っています。皆様方におかれても同様に感じられている方は少なくないと思います。不安の原因は、統計データなどを基に指導対象者数の予測は可能ですが、その内どの程度の方が実際に指導を受けられるのかという予想が立ちにくいからではないでしょうか。

 ただ、一人の指導者がご指導させていただける人数には限りがあります。専任の指導者がお一人の方への指導時間を個別支援、電話、メール活用支援などを一律に1回20分、6回として、1日15回(午前中に7回、午後に8回)、年間200日指導に当たれると仮定すると、1年間で延べ3000回、500名の方の指導をカバーすることができます。しかし、これはあくまでも他の業務や健診時期、指導時間帯の集中などの問題を解決することが前提条件です。また、個別指導の経験をお持ちの方であれば、20分の指導時間では指導者側の一方的な押し付けに陥りやすく、ご本人に具体的な行動目標を立てていただくことは大変困難であると感じられているのではないでしょうか。

 つまり、多くの方を効率よく、効果的にご指導させていただくには、時間をより有効に活用できる特定保健指導用のツールを準備しておく必要があります。

指導ツールに備わっていてほしい最低の機能は?

機能1 メタボリック症候群を中心とした生活習慣病のリスクと効果をビジュアル的に見せる機能

 数字の羅列だけのような健診結果では、メタボリック症候群を中心とした生活習慣病のリスクや特定保健指導における階層化結果を正しくお伝えするのに時間を要します。生活習慣病のリスクを正しく理解していていただくことが指導の第一歩です。グラフ表示や色の変化などビジュアル的に見せる機能が大切です。また、改善効果確認のため、前後の変化を比較できるなど時系列データが取り扱える機能も重要と考えます。

機能2 生活習慣の改善ポイントと効果をビジュアル的に見せる機能

 特定保健指導は生活習慣改善指導と言っても言い過ぎではないと思います。複雑多岐にわたる個人の生活習慣バランスを数値化、得点化してビジュアル的に見せると共に的確な改善のポイントを具体化することの出来るツールが必要です。また、機能1と同様、改善効果確認のため、前後の変化を比較できるなど時系列データが取り扱える機能は大変重要と考えます。

 指導の現場においては、一人の方に複数の指導者が指導に当たったり、異なった職種(医師、保健師、看護師、管理栄養士、健康運動指導士 等)の指導者が指導に当たることも想定できます。入念な打合せが出来ればよいのですが、時間に追われることは十分予想されます。対象者の状態を短時間で的確に把握できて、指導者間での指導の視点のブレを防ぐ意味でも機能1、機能2は大変重要です。

機能3 指導者自身が指導結果を客観的に評価できる機能

 特定保健指導においては実施状態の把握と評価を目的としては国への報告が義務付けられています。勿論、自治体や実施機関、事業所や団体別などの評価も大切です。ただ、指導者としての評価の視点の基本は自らの指導結果を客観的に評価していくことです。それが指導者自身のスキルアップにつながります。指導者自身が手軽に個人、集団への指導結果を確認して、自分自身を評価できる統計、分析機能も大変重要です。

身体活動、運動に関するツールは?

 前項の3つの機能を有していることが、特定保健指導における指導ツールの最低条件ではないでしょうか?これらの条件を満たした上で身体活動、運動に関するプログラムの機能を有していればさらに望ましいと考えます。特定保健指導において身体活動、運動に関するツールは、単独で活用するのではなく生活習慣病のリスク管理、生活習慣との連携を持ったプログラムでなければなりません。

 そこで、私がお勧めするのは、私ども健康財団が兵庫県からの委託を受け開発した「健康増進プログラム」※1の「生活習慣病予防改善プログラム」(図参考)です。このプログラムは、前項の3つの機能を満たすと共にひょうご元気アップテスト(体力測定)の実施による運動プログラムの提供と評価も実現したプログラムです。私自身はこの「生活習慣病予防改善プログラム」を活用していきたいと考えています。また、指導者の皆様にその活用をお勧めします。

 どちらにしても、限られた時間で、対象者により効果的な生活習慣改善のお手伝いの出来る能力が求められています。そのためには、今回取上げた指導ツールだけでなく、管理ツール(顧客管理・スケジュール管理※2)は勿論、指導環境の整備などを含めて準備しておかなければならないことはたくさんあります。

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※1 健康増進プログラムとは・・・

(財)兵庫県健康財団が兵庫県からの委託を受け開発したパーソナルコンピュータ用のアプリケーションソフト。本号紹介のメタボリック症候群に代表される生活習慣病の予防改善を主目的とした「生活習慣病予防改善プログラム(健診事後指導版)」と日常生活活動における行動変容と立つ、歩くなどの機能的な動きの改善を主目的とした「健康づくり運動・栄養実践プログラム(普及啓発版)」がある。

 詳しくは
 健康増進プログラムオフィシャルホームページ http://www.health-pr.net/
 健康増進プログラムの活用のホームページ http://www.healthy-life21.net/health-pr/health_pr.html
をご覧下さい。

※2 スケジュール管理ツール・・・

 個別の健診事後指導に20年以上携わってきた経験からですが、対象者のデータ管理が大切であることは言うまでもありませんが、担当する対象者が50人以上になると、手帳や一般的なスケジュール管理ソフトでは自分自身のスケジュールを管理することが極めて困難になります。100人、200人と想定される場合は、スケジュール管理ツールについても柔軟に検討しておかれることをお勧めします。

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(亀澤)


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